自然をどこまでも愛する企業として、スノーピークが大切にしてきたこと。それは自然の中でかけがえのない時を過ごすことで、一人でも多くの方に「人間性の回復」を実感していただきたいという願いです。自然と深くつながることで自分も自然の一部なのだと感じられれば、人間本来の安らぎや充実感や幸せを得ることができ、未来のための行動を起こすこともできます。その感覚は長い年月をかけて先人たちが野に遊び、野を畏れ敬いながら培ってきたもので、和歌や俳句、庭園や盆栽や浮世絵、着物の柄や多様な祭事などに表現されてきました。昨今では海外から日本を訪れる方々も、この国の自然観に惹かれ、人間は自然の一部という感覚が「循環」「共生」「多様性」など、世界が求めるキーワードにも通じる尊いものだと実感してくれているように思います。その感覚こそが人間性の回復にとって大切な要素になるのです。
この感覚を、スノーピークはこれまでキャンプを通じて多くの方々とわかちあってきました。しかしキャンプをしなくても、自然が好きな人や自然に感動したい人はたくさんいます。だからこそ、これからは野遊びの価値をさらに尖らせながら、日本や世界の人々にお届けし、今よりもっと多くの人が自然を愛せるための入口を、次々と増やしていこうと思います。清冽な川や深い山が身近にある新潟で生まれ育った会長の山井 太が、人生をかけて切り拓いてきた野遊びの魅力を、かつてない構想にして創りあげる未知の体験価値。その価値を、世界が憧れるブランドを日本でいくつも率いてきた社長の水口貴文が、強固な仕組みを創り、唯一無二のブランドの存在感を高めながら世の中に拡げていきます。水口は、多くの子どもたちが自然に触れている時間のあまりの少なさを危惧し、自然の奥深さに日々出会えて、豊かな感性を育める未来に貢献したいと思っていました。その思いが長年の友人だった山井と深く共鳴し、未来をともにすることになったのです。
山井と水口、これからは私たち2人でスノーピークを経営します。2人で責任を分担するのではありません。「バディ経営」を掲げる相棒として、お互いの強みを最大限活かしながら、あらゆる分野で本音の議論を重ねていくことで、私たち2人でスノーピークを進化させていくのです。体制は変わっても、世界中の人々の人間性を回復するという、今まで目指してきた未来は何ひとつ変えるつもりはありません。そのためにあらためて日本の自然観を大切に、人種も文化も年齢も超えて世界が驚く創造と提案を何度も繰り返し、人間は自然の一部であると感じることで湧き上がる、かけがえのない幸せをこの地球のあちこちに生み出し続けます。スノーピークという法人そのものも自然の一部ととらえて、人間と地球のあるべきつながりを見つめ直しながら、国内外の同じ志の仲間とともに着実に成長し続けていきます。その基盤は、すでに整っています。私たちの未来を待ち望む人が、この惑星のあらゆる場所にいるという手応えも強く感じています。スノーピーク史上初めての体制で臨む未知の挑戦に、ぜひご期待ください。
代表取締役会長執行役員
CEO 兼 CCO
(Chief Creative Officer)
山井 太
代表取締役社長執行役員
COO 兼 CBO
(Chief Branding Officer)
水口 貴文